ボスニア観光
令和2年7月23日
ボスニア・ヘルツェゴビナ情報
ボスニア・ヘルツェゴビナは、東西の文明の十字路としてオスマン・トルコ、オーストリア・ハンガリー帝国等、各時代の支配者文化の影響を受けてきたために、多民族の重層的な文化を残す歴史的な側面を持っています。また、チトー・旧ユーゴスラビア大統領(1980年死去)の下、民族友愛、自主管理社会主義、非同盟を柱に経済・社会発展を遂げ、1984年には、サラエボで冬季五輪が開催されました。その後、1990年代前半の紛争で傷つきながらも、たくましくその歴史を歩んできたボスニア・ヘルツェゴビナを訪れる際に役立つ情報を幅広く取り上げていますので、ぜひご覧下さい。
出入国
空路:ブトミル・サラエボ国際空港
入国・入国手続き:パスポート・コントロール → 荷物引き取り → 税関審査
・空港ロビー:各航空会社カウンター、レンタカー、両替所、郵便局、遺失物取扱所
・市内中心部への交通手段:タクシー(30KM程度)
※滞在90日以内であれば査証は不要
出国
・出国手続き:チェック・インカウンター → パスポート・コントロール → セキュリティーチェック → 免税店を通過し搭乗口へ
空港と市内のアクセス
・空港から市内中心部へ:タクシー(30KM程度)
・市内中心部から空港へ:タクシー(15~20KM程度)
陸路
・スルプスカ共和国側バス・ターミナル(ルカビツァ):セルビア、モンテネグロ、国内各地(ビシェグラードなど)発着・ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側バス・ターミナル(サラエボ中央駅近く):クロアチア、西欧各都市、国内各地(モスタル・ビソコ・バニャ・ルカなど)発着
※国境の出入国管理事務所(ブース)通過の際にパスポートや運転免許証の提示の提示や保有外貨を正しく申告するを求められます。
現金の持ち込み・持ち出し制限
持ち込み制限:5000KM分まで(他通貨も含む)。これを超過する場合には、外貨等持込証明書の発行が必要。持ち出し制限:5000KM分まで(他通貨も含む)。これを超過する場合には、外貨等持出証明書の発行が必要。
市内交通
トラム(路面電車)、トロリーバス、バス
・5時~23時30分まで営業しており、安価で便利ではあるが、安全面から利用を差し控えることをおすすめします。・チケットは各駅に隣接するキオスク、または車内で運転手から購入可能。
・乗車の際には、車内の機械でチケットにプリント処理。
・頻繁に検札があり、チケットを所持していても、この処理を怠った場合には罰金が課されます。
タクシー
・タクシーの料金は基本メーター制だがメーターを立てず、降車時にどんぶり勘定で料金を請求されることもあるので、メーターの確認をすることをおすすめします。・電話予約は「1522、1516、1515」
生活情報
天気
・内陸性気候(南部では地中海性気候)。サラエボは標高約500mに位置する盆地で、夏は乾燥し暑く、冬は降雪と共に長く厳しい。(最高気温40℃前後、最低気温零下20℃前後)・年間平均気温・降水量(サラエボ)
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
平均気温(℃) | -1.5 | 2.5 | 7.8 | 11.4 | 12.3 | 21.1 | 21.0 | 21.9 | 16.5 | 12.9 | 10.6 | 3.5 |
平均降水量(mm) | 82 | 70 | 59 | 61 | 70 | 64 | 62 | 63 | 68 | 65 | 69 | 77 |
Federal Hydrometeorological Institute (2019)
時差
・夏時間使用時期:日本-7時間(3月最終日曜日の午前2時から、10月最終日曜日の午前2時)・冬時間使用時期:日本-8時間
電話
日本からボスニア・ヘルツェゴビナにかける場合 | ||||
国際電話認識番号 00 |
- | 国番号 387 |
- | 市外局番の「0」を除いた番号以下をダイヤル |
ボスニア・ヘルツェゴビナから日本にかける場合 | ||||
国際電話認識番号 00 |
- | 国番号 81 |
- | 市外局番の「0」を除いた番号以下をダイヤル |
緊急電話
警察:122消防:123
救急:124
電話番号案内
1182(BH Telecom)1185(RS Telecom)
1188(HPT Mostar)
電圧/周波数
電圧220V、周波数50Hz※日本から電気製品を持参する場合には、変圧器とC型変換プラグ(丸い2つの穴型)が必要です。
通貨
・通過はKM(兌換マルク)。補助通貨はフェニング(100フェニング=1KM)。・1ユーロ=1.95583KM(固定レート)。空港、銀行、郵便局等で両替可。
・ボスニア・ヘルツェゴビナ国外でのKMから外貨への両替は、一部の国(クロアチア、セルビア、ハンガリー、ドイツ、オーストリア等)で可能だが、両替可能な場所が限られているため、当国にて行うことをおすすめします。
支払い
国内の支払い手段:KM、ユーロクレジットカード:VISA、マスター等(主要ホテル及びレストラン等で使用可能。)
文化施設・行事
国立劇場
19世紀後半に公民館として建てられ、1921年より国立劇場としてオープン。演劇、オペラ、コンサートが開催されています。我が国の文化無償協力により2005年に照明機材を供与、2013年にサラエボ交響楽団に対し楽器供与しました。住所:Obala Kulina bana 9
Tel:+387(0)33-226-431
国立博物館
長期間休業中だったが、2015年より再オープン。植物園になっている中庭を取り囲むようにして4棟の建物から成り立っており、考古学・歴史部門(旧石器時代からローマ、中世)、自然科学部門、民俗学部門に関する展示を行っています。開館時間:火曜~金曜:10:00-19:00、 土日:10:00-14:00
住所:Zmaja od Bosne 3
Tel:+387(0)33 668-027
映画館
映画チケット5~10KM程(2016年4月現在)。・Cinema City(住所:Marsala Tita 26):近代的な映画館。BBI Centerの隣。
・Obala Meeting Point(住所:H. Kresevljakovica 13):スケンデリヤ通り消防署の向か
い。カフェ・バーと併設。普段は、アート系映画を上映。
・Caparol:オバラ・クリナ・バナ通りにある、小さな映画館。普段はアート系映画を上映。深夜まで営業。
サラエボ開催の文化行事
・バシチャルシヤ・ノーチ(http://www.bascarsijskenoci.ba/)毎年7月頃開催。旧市街を中心に、毎晩コンサート等が開かれます。
・サラエボ・フィルム・フェスティバル(http://www.sff.ba/)
1995年ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の最中、サラエボで始まったバルカン半島では最大の国際映画祭。 毎年8月中旬~下旬に開催され、世界中の観光客が、この時期にサラエボを訪れています。国立劇場や各映画館で映画祭出展作品が上映されます。
・サラエボ・ジャズ・フェスティバル(http://www.jazzfest.ba)
1996年から毎年11月頃開催。各国からジャズ演奏家が集まります。
・MESSインターナショナル・シアター・フェスティバル(http://www.mess.ba/2015/eng/)
ヨーロッパ各国から参加者が訪れる舞台芸術の祭典。毎年10,11月頃に開催されます。
・サラエボ・ウィンター・フェスティバル(http://sarajevskazima.ba/en/)
1984年から毎年2,3月頃開催。各国の音楽家及び芸術家が集まり、コンサート・
オペラ、展覧会等が催され、我が国もそれに合わせて「日本映画週間」を催しています。
サラエボ観光
バシチャルシヤ(Baščaršija)及びトルコ人街

フェルハディア通り( Ferhadija Ulica)
ボスニア・ヘルツェゴビナ最大にしてサラエボ市唯一の歩行者天国。全長1km程のこの通りをウィンドウ・ショッピングを楽しみながらそぞろ歩きし、友人を見つけてはカフェや立ち話で交流を深めるのがサラエボっ子の娯楽となっています。所々、紛争中に受けた路上の砲撃跡に赤ペンキが塗られた「戦争のバラ」が、紛争の悲劇を忘れないために残されています。ベジ・スタン(Gazi-Husrev Beg Bezistan)
バシチャルシヤとフェルハディア通りの境目に位置する全長105m、幅19mの屋内ショッピング・モール。約50もの服、アクセサリー、土産品等を扱った小さな店が軒を連ね、その建物は、16世紀中頃に原型が完成したとされています。第二次世界大戦やボスニア紛争などにより、建物は何度か破壊されましたたが、現在はオリジナルに近い形となっています。ガジ・ヒュースレフ・ベイ・モスク(Gazi Husrev-beg Džamija)、新セルビア正教教会(Cathedral Church of the Nativity of the Theotokos)、カトリック大聖堂(Sacred Heart Cathedral)>
多民族、多宗教国家ボスニア・ヘルツェゴビナの象徴であり、半径150mに満たない地域に3宗教の施設が立ち並んでいる。 ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のノーベル文学賞受賞作家イヴォ・アンドリッチの「サラエボの鐘」でも描かれ、同作品の中では、当時サラエボで蔓延しつつあった他宗教への不寛容が、それぞれの教会(モスク)の鐘が異なる時間に鳴り響く様になぞらえられています。ベイ・モスク、セルビア正教教会(サボルナ教会)、カトリック大聖堂は、毎日見学可能となっている(但し、女性のモスクの立ち入りにはスカーフ着用が必要)。
ガジ・ヒュースレフ・
ベイ・モスク↑
新セルビア正教教会 ↑
カトリック大聖堂 ↑
ツァレヴァ・モスク ( Careva Džamija )

ヴィエチニツァ(Viječnica)

開館時間:毎日10:00~17:00 入場料5KM
ラテン橋(Latinskaćuprija)

永遠の炎(ヴィエチュナ・ヴァトラ:Vječna vatra)

旧セルビア正教会(Old Orthodox Church)
1539年に建設されたサラエボ市最古のセルビア正教会。 美しいビザンチン美術品が保存されており、美術品が保存されているギャラリーは、10:00~15:00まで見学可能。開館時間:毎日8:00~17:00(月曜及びセルビア正教の祝日を除く)。
入場料:3KM(要確認)。
スルブゾ・ハウス(Svrzina )

コシェヴォ・スタジアム(Koševo Stadium)
BH内唯一の陸上競技・サッカー複合運動場。地元の人気サッカーチーム「FKサラエボ」のホーム・スタジアム。1984年には冬季五輪開幕式がここで開かれました。「FKサラエボ」で60年代~70年代に活躍したアスィム・フェルハトビッチ=ハセにちなんで、アスィム・フェルハトビッチ=ハセ・スタジアムと呼ばれていたこともありました。ゼトラ・スタジアム及び共同墓地(Olimpijski kompleks Zetra)
1984年開催された冬季五輪のメイン会場の一角。紛争時のサラエボ包囲下、亡くなった人々を墓地まで運ぶことが出来なくなり、また、あまりの犠牲者の多さに埋葬する場所も無くなったため、グラウンドを潰して墓地にしていました。隣接するゼトラ・スタジアムは、冬季五輪ではフィギュアスケートやアイスホッケーに利用され、開会式も開かれました。紛争で全壊、1999年3月に修復が終わり、同年7月の南東欧安定協定サラエボ・サミットの会場となった他、各種コンサート等に利用されています。2004年2月には、サラエボ冬季五輪博物館が開設されました。その他の都市
(1)サラエボ市郊外・日帰りで行ける見所
イリジャ(Ilidža)
サラエボ中心街からは12km程西に位置する温泉保養地。イリジャはトルコ語で温泉を意味します。 トラムのターミナル駅でもあり、市内から車で40分程で、多くのホテルが温泉施設を有しています。
ブレロ・ボスネ(Vrelo Bosne)
イリジャ郊外の湧水地公園。ブレロ・ボスネは「ボスニアの泉」を意味しています。週末ともなれば、岩陰から流れ出す清流沿い、草原と木陰に市民が集まり、日光浴、スポーツ、読書などを楽しんでいます。イリジャと同地を結ぶ2km余の並木道は馬車が運行しています。ヤホリナ ( Jahorina)

イグマン ( Igman ), ビィェラシニツァ( Bjelašnica )
サラエボ市南西約15kmのスキー場。山頂2067m。1984年冬季五輪の際には、ビィェラシニツァでは、男子アルペンが行われ、イグマンはジャンプ競技の他、ノルディック・スキーの会場として利用されました。トンネル・ミュージアム(Tunel muzej)
紛争中に武器や物資の調達に使用されていた空港の地下を通る高さ約1.5m、全長約800mのトンネル。現在はその一部を保存・公開しています。紛争中に使用された武器などの展示物、当時の様子を映したビデオを見ることができます。住所:Tuneli 1
Tel: +387(0) 33 684 032
(2)BH内主要都市
バニャ・ルカ(Banja Luka)
人口20万弱、ボスニア・ヘルツェゴビナ北西部に位置するスルプスカ共和国の中心都市。 現地語でバニャは「温泉」を、ルカは「港」を意味する。周辺に温泉リゾートがあり(紛争後は、荒廃している)、市内の城趾周辺には、週末ともなれば大規模な屋外マーケットが建っています。モスタル(Mostar)
